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<弦楽合奏の楽しみ>

はじめに

この文章は、私の体験談ですが、話の内容を分かりやすくするため、多分にフィクションも織り交ぜてあります。従って現存の団体とは全く関係ないものとなっておりますことをお断りしておきます。

(1) 何故弦楽合奏を始めたか

私はこのオフ会では、是非とも弦楽合奏を軌道に乗せたいと思い、計画しています。しかし、皆さんの中にはまだ合奏というものを経験したことがない方もいらっしゃると思うのです。そう云う方のために、アマチュアの弦楽合奏の実体はこんなものなんだということ、そして合奏することによって、上手くなりたいという情熱の灯を燃やし続けることが出来るんだということなどを、私の25年間の弦楽合奏経験を元にお話ししてみようかと思い立ちました。しかしこの経験もいかにも私らしく、はなはだ鈍くさくカッコの悪い悪戦苦闘の連続だったのです。

大学オケでさんざん不満が募っていた私は、卒業と同時に、音楽活動に熱心だった先輩や後輩に、合奏団を作らないかと声をかけました。直ちに10名ほどが集まりました。顔ぶれは、指揮者経験者2人、コンサートマスター経験者1人、2nd.Vnトップ経験者2人、Vaトップ経験者1人、オケ部長経験1人・・・・・・と言った調子で、まぁ確かに音楽活動に熱心だった人達ばかりでした。

私たちに共通していた思いは、大学オケ時代の轍を踏みたくないということだったんです。どういうことかといいますと・・・。

最も気に入らなかったのが、出席率が悪いと云うことでした。

我が大学オケは、秋の定期演奏会に向けての本格的な練習が春から始まりますが、弦楽器、特にバイオリン経験者の欠席が目立ちました。ですから、いつも歯抜け状態での総合練習で、合奏にならなかったんです。熱心に出席するのは、いつも管楽器の連中と弦楽器の、それもバイオリン初心者ばかりという有様です。それで、秋の演奏会はどうなるのかと云いますと、夏休み明け位からぼつぼつ集まりだし、1ヶ月前ぐらいからほぼフルメンバーで練習できるようになり、本番はエキストラなんかを入れてお茶を濁すような感じです。私なんかは、弾けないのでしつこく出席し、合わせるのに必死でした。しかし、極端にバランスの悪いオケでの合奏では、露ほども楽しいとは思いませんでした。わずかに、演奏会前1ヶ月は楽器の頭数も充実し、バランスもとれてきて、ああこの感じかと思う間もなくバタバタと本番を迎えてしまいます。友人は、演奏会をやり遂げたときの満足感を強調しますが、私にはなんら説得力のないモノでした。

何故演奏会をやるのかという出発点に戻ってしまいますが、大抵の結論は、一つの目標を演奏会に置くことによって練習に励みが出ると云うことでしょう。それならあの出席率の悪さはいったい何なのかと言いたくなります。

私たちの新しい合奏団では、 先ず出席率100%の合奏を目指すということですぐに意見が一致しました。そしてとりあえず、演奏会をやらないと云うこと、バロック音楽の弦楽合奏をやると云うこと、マンネリに陥らないように常にアイデアを出し合うと云うこと等々を申し合わせ、いよいよ合奏団をスタートさせたのでした。