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<弦楽合奏の楽しみ>
(8) 弾きにくい箇所の克服方法

私が作成してみんなに配布した小冊子は、次のような内容でした。

まず、曲を弾いてみて難しい、弾きにくいと感じる箇所について考えてみましょう。 それはどんな箇所か、列挙してみましょう。

1. 弦の移行をせねばならない。
2. 小指の早い動きが必要である。
3. 正規の早さで弾こうとすると指がもつれる。
4. いきなり臨時記号が多い箇所が出てくる。
5. とにかく早いパッセージでついていけない。

等々。

これらの内、1.2.については、どのポジションを起用するか、研究する必要があります。最初第一ポジションで弾いてみて、弾きにくいと感じたら、みなさんはまず第3ポジションで弾くとどうなるか、考えるでしょうね。勿論、これでうまく行く場合もたくさんあるでしょう。 しかし、これでうまく行かなかった場合、第2ポシジョンも考えてみて下さい。意外に有効であることに気付く場合が多いはずです。それでも弾きにくかったら第4ポジションですが、さすがに普通の合奏では第4が有効な場合はぐっと減るかもしれません。 しかし、ソロパートでは断然有効な場合に遭遇することが多いはずです。

我々は、ややもすると奇数ポジションに頼る傾向がありますが、この考えを切り替えて、むしろ偶数ポジションに頼るぐらいの方が有効です。

3. については、色んな場合が考えられるでしょうが、私が採っている方法は、押さえたままにしておける指はないか、探してみることです。 もしそれが見つかれば、大成功です。ガラッと変わります。どれか指を、押さえたままに出来る時間が長ければ長いほど、左手がばたつくのを防いでくれ、もつれるという感じは解消します。一度押さえた指は出来るだけ離さないことです。

4. については指をずらせることが多くなるため、弾きにくく感じます。いちいちずらせることをやっていると、間に合わないことが多いです。ですから、ここは一つ一つの音に対して、押さえる指を決めてしまうべきです。そうすると、通常の手の形にはならずに、手を広げたり収縮させたりという形になるので、最初の内はやりにくいかも知れませんが効果は抜群です。例えばD弦第一ポジションで、D―D#―E―Fと弾くような場合、指は0―1―1―2 としたくなりますね。これでも間に合えばいいのですが、弾きにくいと感じたとき、0―1―2―3 も試してみて下さい。また、第一ポジションでA弦のCを弾いてからD弦のF#を弾くような場合、2の指をすばやく動かさねばなりませんね。これを2―3 と別の指で弾くことを考えてみて下さい。ぐっと弾きやすくなります。

5. については、私自身ほとんどお手上げです。(笑) しかし、ちょっと心がけることで全然ちがってくることがあります。それは楽譜の先読みです。今楽譜を見ている箇所を今弾いていることが多いですが、これでは間に合わないことがあります。その音符を弾きだしたときには、目は次の音符を見るようにするのです。つまり目の方は常に先行して進み、弾く方は少し後を追いかけるという状況です。 一度やってみて下さい、ぐっと楽になることに驚かれるでしょう。

これらのことは、ちょっと言われたぐらいで身に付くはずがありません。ですから、私は合奏用の楽譜にフィンガリングを書き込むことにしました。特に第2ポジションなんかは、使わないから不得意なのであって、使うことが普通になれば慣れてくるに違いないのです。ですから、特にその必要がない箇所でも、出来るだけ第2ポジションを書き込むよう にしました。

また、ガラミアンの本にあったように、指の伸縮やハーフシフトの多用も心がけまし た。そして記号を工夫し、楽譜に書きこんだんです。

完全シフトは白抜きの指番号数字、ハーフシフトは指番号を□で囲む、固定する指は- - - - - - - -で示す、と言った具合です。

次の問題は、表現テクニックです。これがまたやっかいなんですが、次回に譲りましょう。