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<美しいハーモニーにあこがれて・・・分離唱のすすめ>
(2) それはある一つの投書から始まった・・・

普段は家で音階一つ弾いても音程不安定な私達でも、合奏の場ではいいハーモニーを奏でることができる方法が何かあるのではないか・・・。家に帰るとまた元の音程の悪い人に戻っているかもしれないが、たとえ合奏の場だけでもいい音程でハモることが出来る・・・。そんな方法がなにかあるような気がしてならなかったのです。

オフ会の合奏で試しにドミソの和音のドの音をチェロに弾いてもらい、 その上にソの音をヴァイオリンに弾いてもらう。調弦のときに聴きなれている完全五度のハーモニーの中へ、ミの音を溶け込むようにビオラに鳴らしてもらいました。これをやると大概結構きれいな響きがするものだと言うことをある時発見しました。そして、人間にはハモろうとする本能的なものを持っていることを知りました。そこで俄然ますますそのような手法の存在を確信するに至ったのです。

そうこうしている内に、あるホームページの掲示板でたまたまある投書があったのです。全てはここから始まったので、その内容をご紹介しましょう。尚、この投書のご本人にはここに公開する事のご了解は頂いています。

♪♪♪
(引用ここから)
その東京のオケでハーモニーの練習は4声の和音進行や簡単な賛美歌を楽器で弾いていました。自分の楽器のなかでの共鳴ではありませんが、ハーモニーのピタッと決まったときは、自分の体の中で(というか脳の中で)ビーンと共鳴する感覚がありました。こういう感覚をつかむために自分個人の音ばかりきくのではなく、練習会場のなかに響き渡る音に耳を澄ますように指導されていました。これは自分自身の個人の音程というよりは、オケ全体の合奏時の音程感覚を鋭くまとめる効果がありました。このオケではメンバーが自分の音を個人的にバリバリにしっかり弾くといった感覚よりも、パートの音として合奏に溶け込むように弾くといった感覚がありました。したがって、モーツァルトを中心に取り上げてきましたが、アマオケにしてはワリと透明感のある演奏をやっていたように自負しています。東京のときのオケの仲間に、佐々木基之著「耳をひらいて心まで 分離唱のすすめ」(音楽之友社)という本を奨められました。この著者は例えばCEGという三和音の響きを聴きながら、そのなかの音を1つ1つ自分で歌って、その和音の響きに自分の声を溶け込ませる訓練を積むことによって、音感を磨いていくといったことを書いています。 これを「分離唱」といいます。おそらく東京のオケのハーモニー練習も原理的にはそういった効果があったと思います。この著者は分離唱をもとにした「楽しくすすむピアノ教本(作曲/即興演奏への入門)」(東京音楽書院)という教則本も書かれていて、バイエルの初級程度の内容に積極的に和音を取り入れたエチュードで、私にもそこそこ弾ける内容です。(Hide注:現在この本の出版社は(有)ケイ・エム・ピーという出版社に代わっています。)うまくいえませんが、この簡単なピアノ教本の練習で、周りに音を合わせる(溶け込ませる)ことができるようになったと思います。ただし、ピッチのまとまったアンサンブルでは気持ちよく弾けたのですが、大人数の寄せ集めオケのような場合、ピッチの幅が広すぎて何をやってるかわからないような、自分の頼るものがないような感覚でした。したがって、自分個人の音程をしっかりと持ちつつも、合奏全体の音程感覚をしっかりつかむのが理想的だと思います。
(引用ここまで)
♪♪♪

(Hide記)
・・ん?ブンリショウ・・・?私はこれを読んで、耳慣れない言葉と共に、 「耳をひらく」という言葉にも興味を持ち、早速その本を読んでみたのです。そうすると・・・、そこには実に驚くべきことが書かれてありました。この本はいろんな意味でとても感動的な本でありますが、 まさにこれぞ私の求めるハーモニーの方法そのものじゃないか・・・と思える手法について述べられていたのです。

佐々木基之氏が書かれた本は大阪府立中央図書館に次の2冊がありました。

「耳をひらいて心まで」分離唱のすすめ 佐々木基之著 音楽之友社(1987.10.1 初版)
「耳をひらく」人間づくりの音楽教育 佐々木基之著 柏樹社(注:この出版社は現存せず。) (1977.11.1 初版)

以下私が読み進めて行ったこれらの本の内容を私なりに出来るだけわかりやすくご紹介しながら、 分離唱とはいかなるものかをご紹介したいと思います。