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5)1歩進んで2歩下がる?
さて、この連載もそろそろ終わりに近づいています。 これまでの私の力説?により、分離唱とはいかなるものか、そして私自身の体験もご紹介することによって色んなことがお分かりになったのではないでしょうか。
前回までの書き込みをご覧になると、分離唱の出会いから実際の体験に至り、そしてめでたく耳をひらいてハッピーエンド・・・、 となりそうな雰囲気ですね。そうなるとまことに都合よく終わることが出来るのですが・・・。
実は・・・後日談があって、 あのレッスンのあと、約1ヵ月後に迫ったオペラ「椿姫」全曲の本番を控え、オーケストラの練習スケジュールが過密になることから、
レッスンの方はお休みにしてもらっていたのでした。そしてつい先日久しぶりにレッスンをして頂いたのです。 前回では耳がいい方向に向いているということだったので、今回は期待してもいいはずでした。
所が・・・。
この連載を熱心に読んでくださった方はもうお分かりですよね。 この前のレッスンからその日までの間には「椿姫」の本番と、 それに向けての何回かの歌手達とオーケストラの合同練習があったのです。
オーケストラ現場では、 「今回はいつもの曲とは訳が違う・・・」と言うせりふが行き交い、もう・・・この調子じゃぁ本番はどうなることやら・・・と、
指揮者は勿論オーケストラの面々も危機感に顔を引きつらせてカンカンになって練習していたんです・・・。 勿論私も人一倍・・・。こういうときに限って、他パートを批判しあうようなギスギスしたムードが、
練習の効率を下げてしまったりするのです・・・。
いやがうえにも必死になり、 必死になればなるほど周囲のことが目に入らない・・・ いや、耳に・・・。
そうです・・・あんなに理解し分かっていたはずなのに、 やはりこの1ヶ月、相も変わらず周囲の音はおろか自分の音も聴かないための訓練をしていたのです。
そして一生懸命「耳をふさぐ」練習をした結果、せっかく耳がいい方向に行きかけたのがまたもや破壊されていたのですね・・・。(^o^;)
佐々木先生の本もよく読みレッスン体験もし、十分考え色んなこともよく分かって来た・・・つもりでした。 なのにまたまた同じことをやってしまい同じ結果を呼ぶことになってしまう・・・。
・・・なんだかもう情けないやら恥ずかしいやら・・・。
特に今回のレッスンでは、たまたまやってみた聴音のひどさは、とてもここに書くのも恥ずかしく、 先生はもう「なぜなの・・・?」「どうしてこれを間違うの・・・?」の連発で・・・呆れ顔をなさってました・・・。(^o^;)
ですから・・・本当は、分離唱で耳をひらく「手術」をしている間は、 いいハーモニーを聴く事以外何もしない方がいいのだと思います。
もうただひたすら、耳をひらく練習に専念する・・・。
しかし・・・そういうわけにも行きませんよね。 どうしてもそれぞれの個人練習をしたり合奏したりすることでしょう。 それは・・・やむをえないことでしょう。
でも、間違っても無神経にただ単に指を置いていくだけの、 「耳をふさぐ」練習だけはしないように心がけなければなりませんね・・・。
全体のハーモニーをよく聴くことは勿論、自分の音にも充分気を配ってコントロールし、 全体のハーモニーに自分の音が溶け込んで行くよう気を配らねばなりません。こういう練習ができるようになれば、耳を破壊するどころか、それ自体も立派な分離唱の練習をしているのと同じ効果になるのではないでしょうか。
そして・・・そんな習慣がなかなか身につかない間は、 私のように一進一退、1歩進めば2歩下がる?の世界をさまようことになるでしょう。
分離唱の訓練をしながら、いかなる場合も冷静に全体のハーモニーを聴き、 自分の音にも気を配って合奏に参加する・・・。 そして、常に機会を捉えては、
できるだけお互いの音を聴き合いながら、 自分の音が溶け込んでいくように念じながらハーモニーを作り、 ハーモニーの変化を楽しむ・・・。
こういう心構えを常に忘れることなく音楽活動に精を出せば段々耳がひらいて来て、 今まで聴こえてなかった音が聴こえるようになり、
ついには作曲者の声まで聞こえてくるようになる・・・。
いかに指揮者のご機嫌が悪くなっていようが、 超速のテンポについて行けない悩みがあろうとも、 常に冷静に全体のハーモニーを・・・・ですゾ・・・。
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